松山市の取り組み
「坂の上の雲」のまち松山
松山市の水事情
気候は温暖な瀬戸内海気候に属し、災害等は極めて少ない一方、全国でも有数の少雨地域であり、渇水が危惧される10大地域に数えられることもあります。そのような条件のもと、石手川ダムと重信川流域の地下水という2つの水源により上水道をまかなっていますが、石手川ダムは毎年のように取水制限が行われており、また重信川流域の地下水についても、少雨が続くと著しく水位が低下するなど、人口50万人を超える都市として、その水源能力は非常に脆弱であると言わざるを得ません。 特に、平成6年の異常渇水では124日にも及ぶ時間給水を余儀なくされ、市民の日常生活はもちろん、医療や福祉といった人の生命に直結する現場まで様々な影響があったことから、水資源対策を最重要課題のひとつとして位置づけ、節水型都市づくりがスタート、以来様々な事業に取り組んできました。 |
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節水型都市づくりの推進
現在、「最も安価で即効性がある節水を徹底するとともに、水資源の有効利用や保全策などあらゆる対策を講じた上で、それでもなお足らない部分については新規水源開発でまかなう」ことを基本スタンスに水資源対策を進めています。 また、節水型都市づくりは行政のみで推進できるものではないことから、平成15年には「節水型都市づくり条例」を制定し、市民・事業者・行政それぞれの役割を明確にするとともに、みんなが一丸となって渇水に強いまちづくりを進めることとしています。 |
これまでの取り組み
1)啓発事業 何よりも人の意識が重要であることから、啓発活動に重点をおいています。市民向けに「新節水ハンドブック」、小学生の節水学習副読本として「わたしたちのくらしと水」という啓発冊子を作成しているほか、8月の水の週間に合わせて「石手川&森の探検隊」を開催し自然や水の大切さ知ってもらうなど、できる限り多くの方に、日ごろから節水について考える機会を増やしていただく取り組みを実施しています。 また、市内在住・通学の小学生から「水のへ絵はがき」を募集し、優秀な作品を活用したPRも行っています。 2)各種助成事業 節水意識を実際の節水行動に結びつける方策として、節水型トイレへの改修や雨水タンクの設置に対する助成制度を設けています。特に、節水型トイレへの改修助成制度により、節水型トイレの普及による実際の節水効果のほか、「水を大切に使う」という意識の醸成が図られているものと考えます。 3)事業者への対策 4)市有施設での取り組み 5)水資源の保全策 6)新規水源開発事業 |
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今後の取り組み
節水型都市づくりは、節水目標を達成したからといって、また仮に新規水源が確保できたからといって完結するものではありません。今後も基本スタンスを堅持しながら、市民や事業者の皆さんと一丸となって、節水型都市づくりを進めていくものと考えており、節水の徹底はもちろんですが、これからは渇水対策としてだけでなく洪水や災害対策としても有効な「雨水利用」を推進する考えです。 |
松山市の雨水利用
雨水楽舎との連携
こうした機運に乗ってより一層雨水利用を推進するため、平成22年8月5日・6日、「第3回雨水ネットワーク会議全国大会2010in松山」を開催し、2日間で延べ約1,500名のご参加をいただきました。 全国大会開催後は、大会を契機に設立された市民団体「雨水楽舎」と連携して環境イベントなどで啓発活動に取り組んでおり、今後は、雨水利用に関する調査・研究なども含めた幅広い活動を行っていく予定です。 こうした活動によって一人でも多くの方が雨水利用に関心を持ち、実践してくださることを期待しています。 |
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